有機化学 × 英語をテーマに書いているこのシリーズ。今回は、実験器具、数字・グラフ、メールの書き方をご紹介します。
まとまりのないテーマですが、今まで書いてきたような発表や日常会話のように、単独でボリュームのある内容にできなかったので(汗)まとまったボリュームにならないテーマを集めてみました。
まとまりはないですが、それぞれは今まで通り、きちんと作ってありますので、参考にしてください。
Contents
実験器具
フラスコ
ナス型フラスコ:Round-bottom flask
よくある間違いが”Eggplant flask”です。「ナス」を英語にすると"eggplant"ですから、気持ちはわからなくはないですが(笑)日本語では「ナス」といいますが英語では全く違います。実験項でもよく出てくる単語です。
*Round-bottom flaskは正確には丸底フラスコで、外国ではナスフラスコは使わず、丸底フラスコ(スリ付き)を使うことあります。私が留学した研究室では、スリがついた丸底フラスコを使っていました。
三角フラスコ:Erlenmeyer flask, Conical flask
日本語だと単にマイヤーと言いますが、三角フラスコを開発したドイツ人化学者Erlenmeyer(エルレンマイヤー)が由来となっています。
計量用の器具
シリンジ:syringe
針:needle
ピペット:pipette
特にひねりもないですが、よく使う単語です。パっと出てくるように覚えておきましょう。
ロート類
ロート:funnel
桐山ロート:kiriyama funnel
ブフナーロート:Büchner funnel
分液ロート:separating funnel
ロートはfunnelで、〇〇ロートは〇〇 funnelとそのままです。ロートは使用頻度が高い実験器具ですが、日本語と英語では全く違うので、気をつけましょう。私は留学中に"Where is my funnel?"と聞かれて、何を探しているのかわからず、固まった記憶があります(^_^;)
桐山ロートは日本独自の器具なので、外国の研究室にはありません。留学先の研究室で、固体をとるときはブフナーロートやグラスフィルターを使います。また、ブフナーロートはBuchnerではありません。uにウムラウトが付きます。英語で書くときは気をつけてください。ウムラウトのある文字の書き方はこちらの記事で紹介しています。
その他
クランプ:clamp
ムフ:muff
こちらも有機化学の実験では必須の器具ですね。英語のままなので特に困ることはないでしょう。
スターラー:magnetic stirrer, magnetic mixer
撹拌子:stirring bar
お馴染みのスターラーも基本的にそのままで通じます。撹拌子を「スターラーバー」と呼んでいる研究室も多いですね。
試験管:test tube
試験管立て:test tube rack
天秤:balance
試験管はそのままですが、試験管立ては意外と出てこないのでは?あと、天秤も、いざ英語で言うとなるとなかなか思いつかない単語の一つかと思います。
数学・グラフ
西暦
西暦は、論文の出版年で時々必要になる表現です。基本は4桁を2桁ずつにわけて言いますが、2000年以降は分けずに言うことが多いです。
nineteen eighty seven : 1987年
two thousand ten : 2010
(twenty ten)
小数
収率は整数で表記しますが、計算化学でのエネルギー値であったり、光反応や電極反応での酸化還元電位では小数が出てきます。「○.○」を読むときに、「点」を"point"で言い換えるだけなので、難しくはないです。
forty five point seven : 45.7
zero point two eight : 0.28
分数・指数
有機化学で出てくることは稀ですが、この機に自分も勉強しておきたかったので、載せました。たまに使うこともある表現です。
two over three : 2/3
one seventh : 1/7
one half : 1/2
one third : 1/3
one quarter : 1/4
two and one third : 2と1/3(2と3分の1)
ten to the fifth (power):105(powerは省略可)
three times ten to the sixth : 3 x 106
x to the power of y : xy
その他
偶数、奇数はポスター発表の発表順の説明で出てきます。たまにどちらが奇数でどちらが偶数か迷うこともありますが、evenが偶数で、奇数がoddです。有名な覚え方は”even”→4文字→偶数、”odd”→3文字→奇数です。
偶数:even
奇数:odd
積分:integration
指数:exponential
線形:linear
図形・幾何
有機化学ではほぼほぼ必要ない単語ですが、一応載せました。関係あるとするとhexagonくらいですね。
三角形:triangle
正三角形:equilateral triangle
正方形:square
五角形:pentagon
六角形:hexagon
八角形:octagon
円柱:cylinder
三角柱:triangle prism
円:circle
星形:star shaped
グラフ
円グラフ:pie chart
棒グラフ:bar graph
散布図:scatter diagram
折れ線グラフ:line chart
横軸:x axis, horizontal axis
縦軸:y axis, vertical axis
原点:origin
実線:solid line
破線:dashed line
スペクトル
超分子や物性を調べる研究で必要そうな言い回しです。
Maximum wavelengths of the compound are 310 and 365 nm.
その化合物の極大吸収波長は310, 350 nmです。
UV-vis spectra of synthesized complex are shown in next slide.
合成した錯体のUV-visスペクトルを次のスライドで示します。
The spectrum of compound 1 was consistent with the calculated spectrum.
The spectrum of compound 1 agreed with the calculated spectrum.
化合物1のスペクトルは計算したスペクトルとよく一致しました。
メール
学年が上がるにつれて、メールでのやり取りが増えてきます。日本語であればなんとなくフォーマルな書き方がわかるかもしれませんが、英語だとフォーマルかどうか判断できないことが多々あると思います。
ここではメールに書いて大丈夫な言い回しをまとめました。
ここに書いてある文だけで、メールの中心部分(伝えたい内容)以外は書けるので、使ってみてください。
宛名(敬称)
Dear Mr./Ms./Dr./Prof.〇〇,
〇〇様(相手の性別、学位、職位、名前がわかっているとき)
Dear Sir or Madam,
(名前がわからない場合)(性別がわかる場合はSirかMadamのどちらかだけ)
To whom it may concern,
ご担当者様
書き出し
書き出しは挨拶やメールを送った理由を書きます。英語のビジネスメールでは時候の挨拶を書くこともあまりないです。書いても悪くはないですが不要です。
ここでは比較的フォーマルなものをまとめましたが、親しい間柄であれば、Hello、How are you?などの挨拶から入っても構いません。
I am 〇〇 at △△ laboratory from XX university.
XX大学△△研究室の〇〇です。
(初めてメールを送るときの自己紹介はこの程度で大丈夫です)
I am contacting you because of my job-hunting.
I am writing this e-mail for my job-hunting.
今回、就活のため、メールをお送りしました。
It has been a long time since we met.
お久しぶりです。
It was a pleasure for me to work with your students.
あなたの教え子と一緒に仕事ができて光栄です。
Congratulations on receiving a prize.
受賞おめでとうございます。
I was delighted to hear that you got a job.
お仕事が見つかったそうで良かったです。
I am very disappointed to hear that you cannot come in our laboratory.
研究室に加われないと聞き、とても残念です。
I would be most grateful if you accept a student exchange program.
交換留学プログラムに参加してもらえると嬉しいです。
最後の一言
Please give my best regards to 〇〇.
〇〇によろしくお伝えください。
I look forward to seeing you at next conference.
次の学会でお会いできるのを楽しみにしております。
結びの言葉
日本語だと「敬具」、「草々」、「かしこ」に相当する言葉です。オフィシャルかどうか、親しいかどうかで書き分けます。
Sincerely yours, アメリカ式
Yours sincerely, イギリス式
(オフィシャルなメールの場合)
With best regrads,
With best wishes,
(親しい人へのメールの場合)
まとめ
実験器具、数字・グラフ、メールに関する英語をまとめました。これらのテーマの需要がそれほどないような気はしつつも、少しはあるはずなので、こういった内容で困っている人が周りにいたら、この記事を紹介してあげてください。