Talk in English:プレゼンテーション・ポスター発表のフレーズ

化学の研究をしていると、どこかで英語で発表する機会は巡ってくるものです。特にドクター以上になると、間違いなく卒業までに最低1回は発表することになります。

英語は普段からの積み重ねが大きいので、普段から勉強しておくのがベストです。

とは言っても、それができたら苦労しないですよね。特に有機化学の研究室だとコアタイムが長いので、なかなか勉強する時間を確保することも難しいでしょう。

そういった方のために、ここでは英語の発表で使いそうな表現をまとめました。

国際学会だけでなく、最近では国内の学会でも英語で発表する機会が増えてきましたからね。日本化学会の春季年会がその例です。きちんと数えたわけではありませんが、私の印象ではドクターの半分以上が英語で発表しているような気がします。年々、英語の発表が増えています。

口頭発表、ポスター発表ともに挨拶から始まり、自己紹介、発表、質疑応答、終わりの挨拶の順で進んでいきます。挨拶のように、ついつい忘れがちなセリフも紹介します。

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挨拶やお礼を英語で自然にできると、とてもスマートで英語ができる人という印象を与えることができますよ

Contents

発表前の挨拶

口頭発表

黒板前で発表する人

座長に紹介された後の挨拶:

Thank you for your kind introduction. I am 〇〇 from △△ university/company.
ご紹介ありがとうございました。ただいまご紹介にあずかりました△△大学/会社の〇〇です。

招待講演の場合:

Thank you for inviting me for this symposium/conference.
学会(シンポジウム)にご招待いただき、ありがとうございました。

I would like to thank the organization for inviting me to this symposium/conference.
学会(シンポジウム)にお招きいただき、運営者に感謝いたします。

会場に向かっての挨拶:

Good morning (evening), ladies and gentleman.
みなさん、おはようございます(こんばんは)。

Thank you for coming to my talk/presentation.
発表を聞きに来てくださってありがとうございました。

I'm honor to have an opportunity to give a talk at this conference.
It is an honor / It is my great honorでも可。to以下は同じ)
この学会でお話しする機会をいただけ、大変うれしく思います。

発表内容等の紹介:

口頭発表では、パンフレット・要旨集あるいは座長の紹介で、発表者の名前や所属はわかるので、自分で言わなくても大丈夫です。ただ、名前を覚えてもらうために、敢えて名乗ることはあります。

I conducted the research of my talk in collaboration with my colleagues from 〇〇 university/company.
本日お話する研究は、〇〇大学/会社と共同で行ったものです。

I'm going to talk about 〇〇.
本日は〇〇についてお話しいたします。

My research topic/interest is 〇〇.
私の研究テーマ(興味のあること)は〇〇です。

発表を始める合図:

Let me start my presentation.
発表を始めさせていただきます。

ポスター発表

ポスターボード

呼び止めるとき:

Can I explain my poster?
ご説明しましょうか?

発表前の自己紹介:

I am 〇〇 from △△ university/company.
△△大学/会社の〇〇です。

Thank you for coming to see my poster.
ポスターを見に来ていただき、ありがとうございます。

質問のタイミング:

Feel free to ask me anything at any time.
いつでもご質問ください。

If you have some questions, please ask me after explanation.
質問がありましたら、最後にお願いいたします。

説明を始める前:

This poster shows research of 〇〇.
このポスターでは〇〇の研究について発表します。

Here are some documents.
資料はこちらにございます。(どうぞお取りください)

発表内容

マイクを持っているリポーター

ここでは、有機化学での反応開発の発表を想定して、使いそうなセリフを載せました。他分野の発表に使いそうなセリフも、今後まとめていこうと思います。

イントロダクション・バックグラウンド

〇〇 is one of the most intriguing/important research topic in organic chemistry.
〇〇は有機化学において興味深い/重要な研究テーマの一つです。

Previously, 〇〇 reported the reaction using stoichiometric amount of the reagent.
以前に、〇〇は化学量論量の試薬を用いた反応を報告しました。

There is a possibility/problem to remain the metals in the product.
生成物中に金属が残留する可能性/問題があります。

This work

Our approach is atom-economical and environmental benign method.
我々の方法は原子効率がよく、環境に優しいです。

In this work, we developed a new method to synthesized 〇〇.
今回、我々は〇〇を合成する新しい方法を開発しました。

研究内容

First, we examined the solvent effects in the presence of the catalyst.
はじめに、触媒存在下、溶媒効果を検討しました。

Optimized reaction conditions in hand, we focused on the substrate scopes.
条件の最適化が終わったので、基質検討に移りました。

Both electron-donating and electron-withdrawing groups were tolerant in this reaction.
電子求引性および電子供与性基のどちらもこの反応に適応できます。
(直訳:電子求引性および電子供与性基のどちらもこの反応に許容性があります)

Proposed reaction mechanism will be shown in next slide.
推定反応機構を次のスライドで示します。

The adduct was transformed into ester without losing ee.
eeが低下することなく付加体をエステルに変換しました。

質疑応答

質問する

赤いクエッションマーク

発表へのお礼:

Thank you for your nice/excellent/interesting talk.
すばらしいご講演ありがとうございました。

Your works inspired students.
学生たちの刺激になりました。

質問を切り出す:

I have a question about 〇〇.
〇〇について質問があります。

Regarding on the first topic,
最初のトピックについてですが、

質問例:

How about functional group tolerance of this reaction?
Does the reaction have wide functional group tolerance?
この反応の官能基許容性はどのくらい広いのでしょうか?

Have you ever tried the reaction in the presence 〇〇?
〇〇を加えて反応を行ったことはありますか?

I would like to know about 〇〇.
〇〇について教えていただけませんか。

What is the driving force of this reaction?
この反応のドライビングフォース(駆動力)は何ですか?

Why did you use the reagent?
なぜこの試薬を使ったのですか?

その他:

Sorry, I couldn't follow you, but...
話についていけなかったのですが、

I mean ...
私が言いたいのは・・・
(1回質問して伝わっていなそうなとき、もしくは抽象的な質問をしてから具体的な質問につなげるときに使う)

質問に答える

張り紙を見て考える人

コメントや質問への返答例:

We havent examined that experiment yet.
その実験はまだやっておりません。

Thank you for a kind advise. Ill do that.
Thank you for your comment. I'm going to conduct that experiment.
コメント/アドバイスありがとうございます。その実験をやってみようと思います。

We are trying to demonstrate the proposed mechanism.
推定メカニズムの証明を行っているところです。

Do you mean that the reaction mechanism is wrong?
反応メカニズムが間違っているということですか?

その他:

I dont understand what you said. Could you tell me more detailed/slowly?
質問がよくわかりませんでした。もう少し詳しく/ゆっくりお願いできますか?

Let me see.
え~と。

It is a very pointed question.
良い質問ですね。

発表後の挨拶

本棚のある壁

口頭発表

発表終了の合図:

Let me finish my talk.
以上で発表を終わります。

Thank you for your attention.
Thank you for listening (to my presentation).
ご清聴ありがとうございました。

If you have any questions or comments, ask me anything freely.
If you have questions or comments, youre welcome.
質問やコメントがありましたら、どんなことでもお聞きください。
(座長がいる場合は、座長に任せてもOK。)

座長へのお礼:
Thank you, chairperson.
座長ありがとうございました。

ポスター発表

ポスターを見てくれたことへのお礼:

Thank you for listening to my talk. That's all. Do you have any questions of comments?
(ポスター発表を)聞いていただきありがとうございます。これで発表は終わりです。質問やコメントはありますか?

Thank you for stopping by my poster.
ポスターを見ていただき、ありがとうございました。

見学者と連絡先を交換したいとき:

May I have your business card (if you can)?
名刺をいただけますか?

まとめ

口頭発表・ポスター発表の流れに沿って、使いそうな英語のセリフをまとめました。

挨拶では学会関係者、参加者、質問してくれた人、座長へのお礼の気持ちを忘れないように、しっかりと伝えましょう。

ただ、経験が少ないうちから、すべてをこなすのは難しいと思うので、発表内容から覚えていくと良いです。

載せたものをすべてではなくても大丈夫ですので、少しずつ覚えていくと、卒業する頃にはすらすら言えるようになっているはずです。

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