卒論・修論の言い回しを自己チェックしよう
Abstract
  • 論文で気をつける表現のまとめ

卒論・修論の時期になってきました。多くの学生にとって、そういった長い文章を書く経験はほとんどなかったと思います。

先輩の論文を見て、このくらいのページ数を書かなきゃと思って、無駄に改行を入れたり、言い回しを長くして文字数を稼いだりしているかもしれません。しかし、そういうことをするとかえって読みにくい文章になってしまいます。文章をチェックする教員も大変ですし、直す学生も手間が増えてしまいます。

そこで、論文でよく使われる言い回し・言葉などを自分でチェックできるように、チェックリストを作りました。

具体的に書く

もの・こと・わけ

代名詞のように「もの」・「こと」をよく使ってしまいますが、使いすぎは避けましょう。他の単語に置き換えるか「もの」・「こと」を使わなくていい表現にしましょう。

例)
この研究は〇〇を目的としたものです
→この研究の目的は〇〇です

反応が進行しないことがあります
→反応が進行しない場合があります

簡単な言葉にする

について・において・における・に対し・を用いて

文章中に何回も出てくるとくどいので、できるだけ簡単な助詞に置き換えましょう。

例)
〇〇反応におけるエナンチオ選択性が・・・
→〇〇反応のエナンチオ選択性が・・・

〇〇について明らかにする
→〇〇を明らかにする

本反応において重要なことは・・・
→本反応で重要なことは・・・

化合物Aに対し試薬Bを用いて反応を行う
→化合物Aに試薬Bを反応させる

ことができる・〇〇することで・〇〇を行う

フォーマルな文章を書いていると、ついつい使いたくなってしまいます。しかし、何回も同じ表現を読んでいるとくどく感じるので、あまり使わないようにしましょう。

例)
〇〇反応を使うことで△△を合成することができる
→〇〇反応で△△を合成できる

生成物のHPLC測定を行った結果・・・
→生成物のHPLC測定の結果・・・ or 生成物のHPLCを測定した結果・・・

してあげる

丁寧に言おうとしているかもしれませんが、分子や器具に対して「してあげる」というのは不自然です。

例)
化合物Aに試薬Bを加えてあげると・・・
→化合物Aに試薬Bを加えると・・・

主語・述語の対応を明確にする

日本語は主語を省略することがたびたびあります。日常会話では気にならないかもしれませんが、科学論文では「何が」・「どうなった」というのは非常に重要です。

一文が長くなると主語がわからなくなることがしばしばあります。主語を省略せずにしっかり書きましょう。

また、化学反応では「化合物が酸化される」というような受け身表現がよく使われます。

この場合も注意が必要です。

「化合物が酸化される」を「化合物が酸化する」と書いてしまうのはよくある間違いです。

「何が」・「どうなった」の対応が間違っていないかしっかり確認しましょう。

まとめ

論文でよく使われる表現の言い換えをまとめました。

今回挙げた例は日本語として不自然というものではないので、全く使ってはいけない表現ではありません。ただ、使いすぎると読み手は読みづらさを感じるし、強調したい部分がわかりにくいです。

なので、タイトルや研究目的などの研究発表で重要な部分だけに、例示した言い回しを使うといったようにするといいでしょう。

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