PTLCを使っている研究室はかなり多いと思います。いくつかの会社から販売もされていますが、大学のようにスペースや予算のない環境だとPTLCを自作して、それを使って精製することが多いのが実情です。
ただ、私の経験上、それぞれの研究室に伝わる方法でPTLCを作っていることが多いです。改良しようと、他の研究室の方法を知ろうと思っても、なかなか知ることができません。
そこで、ここでは私が所属している研究室でのPTLCの作成法を紹介します。他の研究室に伝わるPTLCの作成法も共有していけたら、お互いにもっとブラッシュアップできるかもしれないので、コメント欄にお書きくださると嬉しいです。
(アイキャッチ画像は株式会社矢沢科学から引用)
Contents
PLTCに使うシリカゲル
私の研究室ではWakogel B-5F (230-00043) 5kgを使っています。本当はPTLC用ではなく、ただのTLC用なのだそうです。Wakoの担当者にWakogel B-5Fを使ったPTLCの作り方を聞いたら、「TLC用なのでPTLCには使わないでください」と言われました(^_^;)
PTLCの作成法
①Wakogel:水=140g/280mLの割合で混合し、1L瓶やガロン瓶に蓋をして振って混ぜる(10枚分なので作成する枚数に応じて増やす)
②PLTC作成用セット(矢沢科学で販売中)のスプレンダーに適量流し込む
③レバーを何回か動かして空気を抜き、並列板に並べた硝子板にシリカゲルをペーストする
④硝子板を叩いたり、回転させたりして、空気を抜き、シリカゲルの厚さを均一にする
⑤乾燥棚枠に硝子板を並べ、1日風乾させる
⑥乾燥機で8時間以上乾燥させる
このような感じで学生が作ってくれています。いつもありがとう。
PTLC作成時のコツ
私自身、PTLCを作成したことは数えるほどしかありません。(学生のときに所属していた研究室ではPTLCを使わなかったため)
なので、私の経験ではなく学生に聞いたコツです。
- ④の空気抜きが重要。見た目でわかる泡は絶対になくす
- ⑤で夏場は問題ないけど、冬場は気温によっては1日でも足りないこともある。シリカゲルの色合いで大丈夫かどうかわかるので、春~秋の間に色合いをしっかり覚えておく
- ④で厚さを整えるとき、硝子板の中心に指を立て、反対の手で回すようにすると、厚さが均一になりやすい(サッカーボールを指の上で回すような感じ)。ただ、慣れないと硝子板をよく落とすので、気をつける
まとめ
私の研究室ではこのような方法でPTLCを作っていますが、みなさんはどうですか?個人的にはWakogelが比較的高価なので、作るときもWakogelを無駄にしないようにして、他の試薬にお金を回せるようにしています。
研究室ごと、それぞれの方法があると思いますので、この記事が共有する場になったらと思います。