Henry反応
反応のPoint
  • ニトロ化合物とアルデヒドの反応で、2-ニトロアルコールを作る反応
  • アルデヒドだけでなく、ケトンへの求核付加もできる
  • 酸性度の高い水素原子の引き抜きと続く求核付加反応という形式で、 Aldol反応と似ている

Contents

推定メカニズム

Henry反応のメカニズム

反応の特徴など

この反応の優れている点

・ニトロ基のα-水素のpKaは10前後のため、弱塩基で用意にカルボアニオンを生じる

・生成物の2-ニトロアルコールに適切な反応を行うと他の官能基に変換できる
●脱水→α,β-不飽和ニトロ化合物(Diels-Alder反応やMichael反応に使える)
●Nef反応→α-ヒドロキシケトン

・塩基は触媒量でよく、無機塩基・有機塩基のどちらも使える

・溶媒は基本的に何でもよい

・糖の増炭反応として用いられることがある

・反応条件が穏やかなため、官能基許容性が高い

・生成物の2-ニトロアルコールはジアステレオ混合物でできることが多いが、反応条件の調節でコントロールできることもある
(脱水によりα,β-不飽和ニトロ化合物に変換する場合、立体は関係ない)

・カルボニル化合物の代わりにイミンを使うこともでき、この場合、β-ニトロアミンが生成し、これを還元すると1,2-ジアミンになる

実験を行う上で気をつける点・欠点

・ケトンへの求核付加はアルデヒドより遅く、反応がきれいに進行しないことがある

・副反応が起こりやすい
●意図しない脱水反応
●カルボニル化合物の脱水縮合(Aldol反応)
●Cannizzaro反応

・retro-Henry反応も起こるので、しばしば反応が完結しないことがある

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