反応のPoint
- ケトンまたはアルデヒドを還元してメチレンまたはメチル基に変換する反応
- ヒドラジンと強塩基を使用
Contents
推定メカニズム
ヒドラゾンからジイミドへの段階(3番目から5番目)は塩基によるプロトンの引き抜きではなく、溶媒がヒドラゾンの各原子に配位してプロトンが移動するメカニズムも考えられている。
反応の特徴など
この反応の優れている点
・溶媒にはエチレングリコールなどの高沸点のプロトン性溶媒を使うことが多い
・塩基性条件下の反応なので、アセタールのような酸に弱い官能基を持つ基質にも使える
・Friedel-Craftsアシル化反応、Wolff-Kishner還元を行い、芳香環に炭素鎖を導入したり、新たな環構造の構築に使われることがある
・酸性条件下のClemmensen還元とは対をなす反応
・Caglioti反応(トシルヒドラゾンとヒドリド試薬)でも同様の生成物が得られる
実験を行う上で気をつける点
・エステルのような塩基性条件に弱い官能基があると使えない
・100˚C以上の高温(たいてい150-200˚C)が必要なので熱に弱い基質にも使えない
・高温、強塩基が必要な反応なので、特定の官能基を含む基質だと副反応が起きやすい
・ヒドラゾンを効率よく生成させるために、大抵の場合、ヒドラジンは過剰量使う